たったひとりの君にだけ

そして、私がとりあえずの反応を示す前に、実加ちゃんは更に言葉を紡ぐ。

しかも、より尖った角度で。
容赦なく、ナイフのように切り込んで来る。


「メグ先輩」

「な、なに」


完全なる威圧感。



「もしかして、遠いって決めて何もしてないんですか」



怯んだのは、その所為か。


「遠いとダメなんですか?」

「え、実加ちゃん、待って」

「遠いと好きになっちゃいけないんですか?」


けれど、その一言には即座に反論する。


「ちょっと待ってよ、別に私、好きかどうかなんてそんなこと、第一!恋愛の話とは言ってな、」

「もう!メグ先輩!ここまで話して隠し通せると思ってるんですか!流れ的にバレバレです!」


とてつもない攻撃を喰らった。
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