たったひとりの君にだけ

喰らった気分だった、という表現では済まされない。
しかも、銃弾ではなくダイナマイトで爆発、と言う方が正しい気がしてしまう。

それほどに、私の顔を指差す彼女の瞳は自信で満ち溢れていた。

けれど。

私、そんなに簡単に悟られるほど、わかりやすい説明をしたっけ?
こんな短時間で見破られるほど墓穴を掘ったっけ?


「メグ先輩?メ~グせ~んぱ~い」


いいえ、そんなつもりはございません。


「ナンデゴザイマショウ」

「なんでカタコトなんですか。あのですね、残念ながら私、こういう勘は鋭いんです」


そっぽを向く私にその発言。

鋭過ぎると思う。
ここにもエスパーがいるのか。


「……」


本当は逃げたいけれど、それまた自滅するだけな気がするから。

黙るが勝ち。

そう決め込んだけれど、情けなくも私は、このときは学習能力が欠如していたらしく。
更なる一言に、見事に敗北が決定した。



「あ、やっぱりそうなんですね。当たっちゃった。やった」

「……は?」



そして、一転した予想外の発言に、今度はこちらのアホの声登場。


「うふふふふふ」


しかも、不気味な笑いに襲われる。

嫌な予感しかしない。
もしかして、と思いながら恐る恐る聞いてみる。


「……実加ちゃん」

「はい、なんでございましょう」

「……カマかけた?」

「えへへっ。どうでしょう?」


その笑顔が誰がなんと言おうと間違いなく答えだ。

困り果てていたのは嘘だったのか。

いつからこんな子になったのだろう。

間違いなく、悪女だ。
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