たったひとりの君にだけ
「たったひとつの願いだけ」の続編として書き始めましたが、当初はひとつの短編で終わらせるつもりでした。
元々Berry’s Caféのクリスマス短編特集に応募したのがきっかけで、1万字以内という制限のもと、明るい未来を想像してもらえるような読後感を目指しただけなんです。
つまり。
続編を書く予定は少しもなかった!
……というわけなんです。
続編に対する意識は全くなく、短編を仕上げた去年の11月からは想像出来ない今なんです。
じゃあ、そんな私がどうして「たったひとりの君にだけ」を書こうと思ったのか。
それは、「たったひとつの願いだけ」に対して、続きが気になる、という感想を頂いたからです。
考えてみたらちょっと面白そうかも?と思って、案外アッサリ決断!
それに、ストーリーはまだあやふやだったものの、タイトルだけは驚くほどすんなり決まりました。
その瞬間、どうして続編を一度も意識しなかったんだろうと不思議に思ったくらいでした。
そんなこんなで書き始めて、相変わらずの遅筆っぷりを発揮してしまったけれど。
この「たったひとりの君にだけ」は、私にとって初長編作品以来の連載という形をとりました。
だけど、その初長編は、書き続けているうちに収拾がつかなくなり、途中で非公開にしてどうにかまとめた、という苦い思い出のある作品。
連載というものがどれだけ大変なのか痛感していたので、これから先、私には連載は無理だろうなと思っていて、これまで、完結してから公開というスタンスを貫いて来ました。
けれど、ある程度プロットを書き終えて、PCに向かって文字を打ち始めたとき、ふいに自分の殻を打ち破ってみるのもアリなんじゃないかなと思ったんです。
今までで一番私にしては煮詰めたプロットだったし、挑戦してみようという気持ちが勝りました。
8ヶ月もかかってしまったけれど、今は達成感に満ち溢れています。