クローバー 家族
母とは気が合わない。
ずっと心を痛めていた。


気が強くて、行動的。外面はいいけど、家の中のことは2の次だった。



「子供なんか、産むんじゃなかった!」

酔うと決まって口にした。
私は三姉妹の長女で、私を妊娠してからつわりがひどく、それは出産まで続いたのだと言う。


下の妹たちには、さらに風当たりが強かったらしい。
「子供は二人まで!本当に大変なんだけん!」


三女が3人目を妊娠したとき、何で産むんだ?苦労するだけだ。そんなことを何度も繰り返していた。


でも、母は意地悪で反対しているわけではなかった。
生活面や母親としての責任、家事などを心配して娘には幸せになってほしかったのだ。



もっと、話をすれば良かった。


母が亡くなって4ヶ月。


母の本当の気持ちがほんの少しずつわかってきた。


母の兄弟に聞いたこと、遺品の整理をしていて気づいたこと。



やっぱり、母は我が子の幸せを一番にかんがえてくれていたんだって、じわじわわかってきたよ。



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