君のそばにいてもいい?
「…やっぱり寂しくなってしまったの。
心にぽっかり穴が空いたみたいだった。
…だから、私最低なこと言っちゃったんだ」
私は深呼吸をする。
ふと手を見てみると、震えていた。
桐谷に嫌われるかもしれないという恐怖感に襲われる。
私は震えていたその手をぎゅっと握りしめてからまた話し始める。
「『もう遠恋なんて耐えられない』
って…そしたら深雪は、
『…ごめんな。俺は葉月が寂しがってても何もしてやれない…別れよう。』」
私はさっきよりも強い力で手を握りしめる。
「…私があんなこと言わなければ深雪は傷つかずに済んだのに。
だから…深雪に合わせる顔がなくて」
「…そっか」
桐谷は少し考え込むようなポーズをしてから言った。
「言っておくけど、僕は許斐を寂しがらせるつもりはないし、許斐が何と言っても、絶対離さないから」
そう私を見つめて言った。
「う、うん…!」
私は思わず涙が溢れてくる。
すると桐谷は私のことを抱きしめる。
「…絶対離さねぇからな」
私はきゅんとくる。
桐谷は普段、口調は優しい。
でも、たまに男子っぽい口調になるときがあって…いつもそれにドキドキするんだ。