君のそばにいてもいい?
【桐谷side】
僕は恋をしたことがない。
だから好きという気持ちも、"付き合う"って何だろうって思う。
そんな僕にも恋ができるかな…
「…ん?有田からメールだ」
今日は夏祭り。
同じテニス部の友達と行く予定だった。
だけど、そんな予定も有田に崩される。
『あのね!葉月が話があるらしいから、今日学校の校門のところで17:30に待ってるだって!』
「え?」
僕はそのメールを見て驚いた。
「許斐から話って…」
僕はドクンと胸が高鳴ったのを感じた。
不安と緊張が混ざったような気持ちになる。
今は17時前。
僕は支度をドクドクと心臓を波打たせたまま始める。
「なんでこんなに緊張してんだ…」
この緊張の正体もわからず、支度を終えると
「やばい、もう17:20じゃん!」
僕は許斐のいる校門のところまで走る。
すると、浴衣を着た許斐がいた。
僕は急いで許斐のところまで行く。
「ごめ…待った…よね…」
すると許斐はきょとんとした顔をしている。
「え…何で…」
と許斐が言う。
呼び出したのは許斐じゃんか…
そう思いながら一応理由を説明する。
「何でって、許斐が僕に話があるって有田が…」
と言った瞬間、許斐が少し怒っているように見えた。
…なんかおかしいな…
すると彼女は大きなため息をついた。
「私、雅に騙されたみたい。本当は雅とまわる予定だったんだけど、今メールがあって…」
と許斐はそのメールを僕に見せる。
「はぁ!?」
思わず声をあげてしまった。