君のそばにいてもいい?

どうしようか。

このままだと、2人でまわらなきゃいけなくなる。

僕は1人でも構わないけど…許斐を1人でまわらせるわけにはいかないし…

…いっそ誘うか!

「…せっかくだし、2人でまわらない?」

…言ったぞ!よく言った僕!!

すると、許斐は少し困っていた様子だった。
そんな姿をかわいいと思った。

…かわいい?

なんでそんなことを思ったんだ僕は…
と少し赤くなる。
なんか恥ずかしい。

ふと、僕は恋人がいる友達との会話を思い出した。

『好きとか、付き合うとかさ、どういう意味なの?』

僕が問うと、その友達はこう答えた。

『好きっていうのは直感的にわかるものだと思う。俺の場合もそうだったし…あ、こいつを好きなんだなあって感じるんだよ。理由とかなんてないもんなんだよ。"付き合う"っていうことも。』

『好きになると、その人のことどう思ったりする?』

『好きだって気づく前は別に何も思ってなかったけどさ、好きになると、急にその人がかわいく見えたりするんだよねー』

と、笑いながら話す友達がすごく幸せそうだと思ったことも思い出した。



……そっか。

…僕は……

…許斐のことが好きなんだな。
許斐が、僕の初恋の人なんだな。

…許斐…僕は、許斐のことが好きだよ。

【桐谷side finish】
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