君のそばにいてもいい?

と、いうことで、桐谷とまわることになったんだけど…

緊張で全然楽しめない!!!

私なんだかんだ言って、男子とデートなんて初めてなんだけど…っ

…元カレとはしなかったし…

あーもう!と1人で悶絶していると、

「…桐谷?」

気がつくと、桐谷がいない。

「…嘘でしょ…」

この歳にもなって、迷子とか本当笑えない。

「桐谷…桐谷ってばー!」

どうしよう…すごく不安になってきた。

私は少し涙目になりながらも必死に桐谷を探す。

「桐谷!!桐谷…っ」

もう私の瞳には涙が溢れていた。

「…許斐!!」

私は振り向く。
そこには桐谷の姿があった。

ほっとして、更に涙が溢れてくる。

「許斐!?どうしたの!?泣いてるし…」

と桐谷は言いながら手で私の涙を拭ってくれる。

「ど、どこほっつき歩いてたの!!…ずっと、探してたし、不安で怖かったのに…」

と私は言ってしまった。

悪いのは私なのに。
ぼーっとしていた私がいけないのに。

それでも桐谷は、ごめん、本当にごめんねと言ってくれる。

「…本当にごめん。許斐、緊張してたというか…まぁ僕も実は緊張してたんだけど…」

と、少し赤くなりながら桐谷は言う。

「もっとリラックスしてもらいたくて、これ買ってきたんだけど…」

と、渡されたのはわたあめ。
私はその気持ちがすごく嬉しかった。


“僕も緊張してたんだけど”


なによりその言葉が嬉しくて…

「…ありがとう」

と私はお礼を言ってわたあめを受け取り、わたあめを食べ始める。

すると桐谷はすごく嬉しそうにしてくれた。

…そっか。

私…桐谷のこと…好きになっちゃったんだね。

でも…

前みたいになってしまったら?


私はもう、2度と同じような過ちを犯したくない。誰かを傷つけたくない。

神様がいるなら教えて下さい。

私は…桐谷を好きになってもいいですか?
< 13 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop