君のそばにいてもいい?
試合会場にて。
「葉月ー!こっちこっち!!」
と、雅が私を呼ぶ。
その雅の後ろに桐谷がいて、
思わず私の心臓がドキンと高鳴った。
「…あのさ、雅、これ作ってきたんだけど…良かったら食べて?」
と、私は鞄から二つタッパーに入ったはちみつレモン漬けを出す。
「まじで!!いいの!?葉月料理上手だし嬉しい!」
と、雅は満面の笑みで言ってくれた。
思わず私も雅につられて微笑んだ。
「あれ?二つもあるの?」
と、雅がきょとんとした顔をする。
あ…と私が思い出したように言う。
「もう一つは、桐谷のぶん。雅、渡してくれる?」
と、私が言うと、雅はにやにやし始めた。
「…まさかぁ…葉月、桐谷のこと…?」
と雅がわざとらしく言うと
私は呆れて、
「夏祭り一緒にまわってもらったお礼」
と即答した。
そして
「…またああいうことやったら縁切るからね。」
と、少し睨み私は言った。
すると雅は怯えながら
「ごめんなさい!!もう二度とやりません!!!」
と必死。
私は吹き出し、そのまま大笑い。
「そんなに笑わなくても…」
と拗ねた雅の頭を背伸びして撫でて、
「試合、頑張ってね!」
と満面の笑みで言った。
すると雅はうん!!と言って、
テニス部のみんながいるところへと向かった。