君のそばにいてもいい?
「あ、そういえば」
と雅が思い出したように言う。
「葉月、さっき私に何か言いかけてたよね?どうしたの?」
私は雅に聞かれて思い出した。
桐谷のこと…
「あ、いや…また後で大丈夫」
「おっけー」
キーンコーンカーンコーン…
「あ、鳴っちゃった!席戻るね!」
と、雅は自分の席へと戻っていく。
そして授業が始まった。
ふと、桐谷の方を私は見る。
実は隣の席なんです…
桐谷は私の方を見ていたみたいで、目が合ってしまい、私は顔が熱くなるのを感じた。
『絶対私顔赤いよ…』
そう思っていると、桐谷はメモを私に見せてきた。
そのメモを見ると
『さっきはありがとう。桜井に声をかけてくれて…』
と書いてあった。
私はそのメモに、
『私が声かけたかっただけだから!』
と桐谷にメモを渡す。
すると桐谷は優しく笑う。
私はその笑顔にきゅんときた。
これ以上好きにさせないでよ…
それから、その授業中はずっと桐谷にとメモを交換し合っていた。
…麻結美ちゃんに見られていると気づかずに。