君のそばにいてもいい?
転校生
キーンコーンカーンコーン…
…はぁ。やっと授業終わったー…
これから部活だ!
と、張り切っていると
「許斐」
と、桐谷に声をかけられた。
「うん?どうしたのー?」
すると桐谷は少し笑って、
「今回は驚いて大声出さなかったね〜」
なんて、意地悪な笑みを浮かべながら言う。
「…桐谷って意外と意地悪だよね…」
私がぼそっと言うと、
「あれ?知らなかった?」
と、相変わらず意地悪な笑みを浮かべている。
「もう!!」
と私が拗ねると
「ごめんごめん、そうやって拗ねる許斐が可愛くてつい…」
「…え…?」
私がきょとんとした顔をすると、
桐谷は我に返ったように顔を真っ赤にさせて
「…いや、その…うん…」
とそっぽを向く。
そんな桐谷につられて私も顔が熱くなるのを感じた。
「…明日も」
「…え…?」
「メモ交換、しようね」
と桐谷はそう言い、
じゃ、僕部活あるから!!
と言って教室から出て行ってしまった。
すごい勢いで。
「…え、え…?」
いっぺんに幸せすぎることが起こりすぎて、私は混乱していた。
「桐谷が私のことを…か、かわいいって…」
そう確認するとさっきよりもっと顔が熱くなった。
「なんだよもう…」
と私は机に突っ伏す。
「葉月ちゃん?」
私は呼ばれた途端、飛び起きる。
「あ、麻結美ちゃん!!ど、どうしたの?」
と聞くと
「…あのね、葉月ちゃんに言っておきたいことがあって…」
「どうしたの?」
私がそう尋ねると
「…私…
蒼くんのことが好きなの…」