君のそばにいてもいい?
「あ、そういえば葉月!」
「ん?どしたの?」
「葉月って、好きな人の噂とか全然聞いたことないんだけど…いないの?」
突然の雅の言葉に、私は驚きを隠せずにはいられなかった。
「は!?そんなのいるわけないじゃん!」
「え〜そうなの?つまんないなぁ…」
と、雅は呟く。
「そういう雅こそ、好きな人いないの?」
「私?いるわけないじゃんー」
と雅は笑う。
なんだよ、と私は思いながら少しふてくされた。
「でも!」
雅が突然立ち上がり、
「もし、私に好きな人ができたら、葉月に1番に言うからね!絶対!」
雅は満面の笑みで言う。
そんな雅の裏表のない笑みが、私の心を温かくさせた。
「だから、無理矢理には聞かないけど…葉月も好きな人ができたら、私に言ってね!」
「う、うん!…」
…ごめん。ごめんなさい雅。
私はもう…
恋愛なんてしないと決めたの。
ごめん…本当にごめんね…
温かくなっていた私の心は徐々に、冷えていった。