君のそばにいてもいい?
「…はぁ…はぁ…」
猛ダッシュで図書室の前へと来た。
私はドアノブへと手をかける。
その瞬間、さっきの桐谷と麻結美ちゃんの光景を思い出す。
…逃げるな。葉月。
私はそう自分に言い聞かせ、ドアを開けた。
「…許斐…」
桐谷はまだ図書室にいたようだ。
「…麻結美ちゃんは?」
「…帰したよ」
「そっか…」
桐谷は少し気まずそうだった。
そりゃそうだよね。
私、あんな風に出て行っちゃったんだし…
「「…あの」」
桐谷と私はお互い同時に話しかけていまった。
「許斐から言って?」
桐谷のその言葉に対して、私はコクンと頷く。