君のそばにいてもいい?

「…嘘…」

「本当だよ」

桐谷は柔らかく笑う。

私は嬉しすぎて泣きそうだった。

「…あの時、許斐が桜井に声をかけてくれなかったら気づけなかったと思うんだ」

あの時って…麻結美ちゃんが転校してきた日のこと?

「許斐みたいに声をかけてくれる人だっているんだって、気づけた…
そうしたら、桜井は僕がいなくてもやっていけるんじゃないかって」

「…桐谷…」



「…許斐、僕は」

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