少女達は夢に見た。
第2章 平和な日常
「いぃ~ちぃ~るぅ~!」
「な、なに?」
数学の単元テストが4時間目に返ってきてしまった。
柚奈が授業が終わったなり、飛び付いてきて。
私の机が軽く揺れる。
「いっちー!ヘルプぅ~!」
柚奈に返事をする間もなく、アキが突進してきた。
ショートカットの短い髪を、振り乱して。
山岸翠南(やまぎしあきな)。
アキも点数悪かったのか。
「アキ!あれ…?アキもダメだったの?」
アキに頼ろうとした歩乃香(ほのか)。
しかし、私の所に来ているアキに気付いて、頼れないということを理解したようだ。
複雑そうな顔をする歩乃香に少し傷付く。
歩乃香はアキとは凄く仲が良い。
柚奈ともまあ、仲が良い。
でもやっぱり、そんな態度をとられるということは私は、あまり好かれていない…ということなのか。
遠慮気味に私達の方に来た。
「いっちー何点だった?」
「え?」
ふいにアキに聞かれた。
手に持っている答案用紙を握り締める。
「アキから言ってよ。」
しぶりながらも、仕方ないなという風に笑った。
「えーと…28点でした。」
50点満点のテスト。
確か平均点は29、5
28はちょっとヤバイんじゃ…。
「え?アキ全然いいじゃん!!」
と、思っていたら、柚奈が全力否定。
「おい、ちょっと待て。」
柚奈の肩に手を置く。
「なに?一瑠。」
「柚奈は何点だったの?」
恐る恐る聞く。
「18点…。」
「なっ!?」
10点代とは…それはさすがにアウトだよ…柚奈。
歩乃香もさすがに呆れたか。
柚奈はその視線を敏感に感じ取って、
「じゃあ、歩乃香は何点だった?」
頬を、膨らませて、威張った様子で聞く。
柚奈より悪いなんてことは無いと思うけど。
それでも言いにくいのにかわりはないだろうけど。
「31だけど…。」
すごく嫌そう。
「くそ!歩乃香に負けた!」
大袈裟な反応をしてみせるアキ。
確かにアキと歩乃香の学力は同じくらい。
見た目とは裏腹に、アキは文系で、歩乃香はどちらかといえば理系。
総合的な学力は同じくらい。
「で?一瑠は?」
「え?」
柚奈は「早く言えよ」と言わんばかりの視線を向け、私に言った。
「そうだよ。みんな言ったんだから、いっちーもちゃんと言うんだよ?」
アキにも急かされて。
「どうせよかったんだろうけど。」
さらには歩乃香にまで急かされる始末。
「分かってるって。」
みんなの視線が集まる。
言いにくい。
「はい!」
柚奈に自分の回答を勢いよく渡した。
すぐに手際よく開く。
その点数を除きこんだアキが舌打ちをした。
「さすが、一瑠。」
「あ、ありがとう…柚奈。」
あんまり誉められてる気、しないけど。
「48点…すごいね。」
歩乃香がこちらをじぃっと見つめ…いや、睨む。
美人のひと睨みは迫力が半端じゃないです。
「勉強会のとき、教えてね、一瑠。」
柚奈…少しは勉強しろよ。
塾行ってるくせに…。
心のなかで毒ついた。
「な、なに?」
数学の単元テストが4時間目に返ってきてしまった。
柚奈が授業が終わったなり、飛び付いてきて。
私の机が軽く揺れる。
「いっちー!ヘルプぅ~!」
柚奈に返事をする間もなく、アキが突進してきた。
ショートカットの短い髪を、振り乱して。
山岸翠南(やまぎしあきな)。
アキも点数悪かったのか。
「アキ!あれ…?アキもダメだったの?」
アキに頼ろうとした歩乃香(ほのか)。
しかし、私の所に来ているアキに気付いて、頼れないということを理解したようだ。
複雑そうな顔をする歩乃香に少し傷付く。
歩乃香はアキとは凄く仲が良い。
柚奈ともまあ、仲が良い。
でもやっぱり、そんな態度をとられるということは私は、あまり好かれていない…ということなのか。
遠慮気味に私達の方に来た。
「いっちー何点だった?」
「え?」
ふいにアキに聞かれた。
手に持っている答案用紙を握り締める。
「アキから言ってよ。」
しぶりながらも、仕方ないなという風に笑った。
「えーと…28点でした。」
50点満点のテスト。
確か平均点は29、5
28はちょっとヤバイんじゃ…。
「え?アキ全然いいじゃん!!」
と、思っていたら、柚奈が全力否定。
「おい、ちょっと待て。」
柚奈の肩に手を置く。
「なに?一瑠。」
「柚奈は何点だったの?」
恐る恐る聞く。
「18点…。」
「なっ!?」
10点代とは…それはさすがにアウトだよ…柚奈。
歩乃香もさすがに呆れたか。
柚奈はその視線を敏感に感じ取って、
「じゃあ、歩乃香は何点だった?」
頬を、膨らませて、威張った様子で聞く。
柚奈より悪いなんてことは無いと思うけど。
それでも言いにくいのにかわりはないだろうけど。
「31だけど…。」
すごく嫌そう。
「くそ!歩乃香に負けた!」
大袈裟な反応をしてみせるアキ。
確かにアキと歩乃香の学力は同じくらい。
見た目とは裏腹に、アキは文系で、歩乃香はどちらかといえば理系。
総合的な学力は同じくらい。
「で?一瑠は?」
「え?」
柚奈は「早く言えよ」と言わんばかりの視線を向け、私に言った。
「そうだよ。みんな言ったんだから、いっちーもちゃんと言うんだよ?」
アキにも急かされて。
「どうせよかったんだろうけど。」
さらには歩乃香にまで急かされる始末。
「分かってるって。」
みんなの視線が集まる。
言いにくい。
「はい!」
柚奈に自分の回答を勢いよく渡した。
すぐに手際よく開く。
その点数を除きこんだアキが舌打ちをした。
「さすが、一瑠。」
「あ、ありがとう…柚奈。」
あんまり誉められてる気、しないけど。
「48点…すごいね。」
歩乃香がこちらをじぃっと見つめ…いや、睨む。
美人のひと睨みは迫力が半端じゃないです。
「勉強会のとき、教えてね、一瑠。」
柚奈…少しは勉強しろよ。
塾行ってるくせに…。
心のなかで毒ついた。