あたしの心、人混みに塗れて
正門まで歩いていくと、人々が歩いていく中で一人だけ立ち尽くしている男が見えた。
「昌人(まさと)!」
あたしが後ろから肩を叩くと、あたしの彼氏、昌人が振り向いた。
「早いね、昌人」
「智子こそ、いつもより早いじゃん」
「そう? いつも通りだよ」
「いやいや。いつも時間ぎりぎりに走って来るくせに」
昌人が笑って、「行こうか」とあたしの手を引いた。
このタイミングで、今朝もう少し余裕を持って服を選べばよかったと後悔した。
だって、今日の服は白いブラウスに青のカーデ、デニムのショートパンツなのだ。とてもデート服とは言えない。
半年経ったからって、ちょっと油断しちゃっているかもしれない。もう少し気を使わないと。
165センチあるあたしより頭一つ分大きい昌人は、遠目から見ても目を引く存在で、なんであたしみたいな地味な女と付き合っているんだろうと、そのモデルみたいな姿を見る度に不思議に思う。
決してあたしが謙虚なわけでも自分を過小評価しているわけでもなく、実際友達にも言われているのだ。
「昌人(まさと)!」
あたしが後ろから肩を叩くと、あたしの彼氏、昌人が振り向いた。
「早いね、昌人」
「智子こそ、いつもより早いじゃん」
「そう? いつも通りだよ」
「いやいや。いつも時間ぎりぎりに走って来るくせに」
昌人が笑って、「行こうか」とあたしの手を引いた。
このタイミングで、今朝もう少し余裕を持って服を選べばよかったと後悔した。
だって、今日の服は白いブラウスに青のカーデ、デニムのショートパンツなのだ。とてもデート服とは言えない。
半年経ったからって、ちょっと油断しちゃっているかもしれない。もう少し気を使わないと。
165センチあるあたしより頭一つ分大きい昌人は、遠目から見ても目を引く存在で、なんであたしみたいな地味な女と付き合っているんだろうと、そのモデルみたいな姿を見る度に不思議に思う。
決してあたしが謙虚なわけでも自分を過小評価しているわけでもなく、実際友達にも言われているのだ。