あたしの心、人混みに塗れて
─────
「蒼ちゃん、あたし今日飲み会行ってくるね」
「え、ともが?」
蒼ちゃんは読んでいた本から顔を上げて、驚いたように目を丸くした。
「え、まじで飲み会なの? ぼっち飲みの集まりか何か?」
「……ぼっち飯みたいに言わないでよ。しかもぼっち飲みが集まったらただの飲みでしょ」
「あ、そっか」
「で、今日はどこの飲み会?」と本に視線を戻した蒼ちゃんはあまり興味がなさそうだ。
あたし達は昔からお互いをあまり干渉しない。いくら好きでもお互いに依存しすぎてはその関係がなんであれすぐに壊れてしまうからだ。あたし達は今の関係が壊れてしまうことを何よりも嫌なのだ。
「千晶のサークル。ちょくちょく誘われててさ、一回だけ行ってみようかなって」
「千晶ちゃん、何のサークルだっけ?」
「異文化交流」
「外人の人が多くいるやつか」
「うん。そこなら安全かなって」
「確かに運動系よりは安全だと思うよ。公認だし」
運動系の部活、及びサークルの飲み会は下級生が無理やり飲まされることで有名だ。それが大学非公認のものだとそのレベルは桁違いで、救急車にお世話になったり、ほぼ全員の女がお持ち帰りされることは決して稀ではないらしい。
蒼ちゃんはバスケ部に入っていて、一年の頃は飲み会の度に潰れかけて帰ってきた。
「蒼ちゃん、あたし今日飲み会行ってくるね」
「え、ともが?」
蒼ちゃんは読んでいた本から顔を上げて、驚いたように目を丸くした。
「え、まじで飲み会なの? ぼっち飲みの集まりか何か?」
「……ぼっち飯みたいに言わないでよ。しかもぼっち飲みが集まったらただの飲みでしょ」
「あ、そっか」
「で、今日はどこの飲み会?」と本に視線を戻した蒼ちゃんはあまり興味がなさそうだ。
あたし達は昔からお互いをあまり干渉しない。いくら好きでもお互いに依存しすぎてはその関係がなんであれすぐに壊れてしまうからだ。あたし達は今の関係が壊れてしまうことを何よりも嫌なのだ。
「千晶のサークル。ちょくちょく誘われててさ、一回だけ行ってみようかなって」
「千晶ちゃん、何のサークルだっけ?」
「異文化交流」
「外人の人が多くいるやつか」
「うん。そこなら安全かなって」
「確かに運動系よりは安全だと思うよ。公認だし」
運動系の部活、及びサークルの飲み会は下級生が無理やり飲まされることで有名だ。それが大学非公認のものだとそのレベルは桁違いで、救急車にお世話になったり、ほぼ全員の女がお持ち帰りされることは決して稀ではないらしい。
蒼ちゃんはバスケ部に入っていて、一年の頃は飲み会の度に潰れかけて帰ってきた。