あたしの心、人混みに塗れて
蒼ちゃんの綺麗な寝顔はいつまでも見ていられる。明るい茶髪、長い睫毛、綺麗な鼻筋、小さくてふっくらとした唇、綺麗な肌、穴だらけの耳たぶ。イケメンの顔はいくら見ても飽きることがない。ため息が出るほどに綺麗だ。
こうして見ると、蒼ちゃんはイケメンだけどチャラい。でも普段はチャラい雰囲気を感じさせなくて優しい印象しか受けない。そんな蒼ちゃんだからこそ女達は惹かれるのだろう。
「……あれ?」
耳たぶを間近で見て気付いた。
ほとんどのピアスの穴が塞がっている。
蒼ちゃんは寝るときは、目立たない透明な樹脂ピアスを付けている。一年前に見たときはそれが両耳に7つ付いていたから逆にチャラいなーと思ったことを覚えている。
なのに、今では左耳に一つしか付いていない。他の三つの穴は既に塞がれて、小さな黒い跡になっている。
右耳は蒼ちゃんが横に寝転んでいるせいでわからないけど。
「……なんで?」
あたしはそっと蒼ちゃんの耳に触れた。確かに穴は塞がれている。
「…………くすぐったい」
蒼ちゃんの低い声がして、あたしは慌てて耳から手を離した。うっすらと目を開けた蒼ちゃんと目が合う。
「……何してんの」
不機嫌な物言い。こりゃあまだ怒っているな。
こうして見ると、蒼ちゃんはイケメンだけどチャラい。でも普段はチャラい雰囲気を感じさせなくて優しい印象しか受けない。そんな蒼ちゃんだからこそ女達は惹かれるのだろう。
「……あれ?」
耳たぶを間近で見て気付いた。
ほとんどのピアスの穴が塞がっている。
蒼ちゃんは寝るときは、目立たない透明な樹脂ピアスを付けている。一年前に見たときはそれが両耳に7つ付いていたから逆にチャラいなーと思ったことを覚えている。
なのに、今では左耳に一つしか付いていない。他の三つの穴は既に塞がれて、小さな黒い跡になっている。
右耳は蒼ちゃんが横に寝転んでいるせいでわからないけど。
「……なんで?」
あたしはそっと蒼ちゃんの耳に触れた。確かに穴は塞がれている。
「…………くすぐったい」
蒼ちゃんの低い声がして、あたしは慌てて耳から手を離した。うっすらと目を開けた蒼ちゃんと目が合う。
「……何してんの」
不機嫌な物言い。こりゃあまだ怒っているな。