あたしの心、人混みに塗れて
あたしは穴の跡をそっとなぞった。
…………もっと、触れたい。
「まさか、自分で傷つけた穴のおかげでともからプレゼントをもらうとは思わなかったけどね」
「……ごめん、気付かなくて」
「いいよ、もう。俺、ともと付き合うことができたら穴は全部塞ごうって思ってたの。でもともにピアスもらったから、左右一つずつ残すことにしたんだよ」
「……いいのに。あたしがあげたやつなんか」
「いいの。じゃないと、お互いがあげたやつ付けようって約束破っちゃうじゃん」
「約束した覚えはないけど」
「俺が残したいの。俺がともを思ってる証。傷は少し残ってるくらいがちょうどいいんだよ」
「……なんか、一歩間違えたら犯罪者になりそう」
「だから、ともを監禁するかもって言ったでしょ?」
蒼ちゃんは強い。自分を傷付けて傷付いても、前を向いて人に優しくできる強さを持っている。いや、傷付いたからこそ強いのかもしれない。
…………もっと、触れたい。
「まさか、自分で傷つけた穴のおかげでともからプレゼントをもらうとは思わなかったけどね」
「……ごめん、気付かなくて」
「いいよ、もう。俺、ともと付き合うことができたら穴は全部塞ごうって思ってたの。でもともにピアスもらったから、左右一つずつ残すことにしたんだよ」
「……いいのに。あたしがあげたやつなんか」
「いいの。じゃないと、お互いがあげたやつ付けようって約束破っちゃうじゃん」
「約束した覚えはないけど」
「俺が残したいの。俺がともを思ってる証。傷は少し残ってるくらいがちょうどいいんだよ」
「……なんか、一歩間違えたら犯罪者になりそう」
「だから、ともを監禁するかもって言ったでしょ?」
蒼ちゃんは強い。自分を傷付けて傷付いても、前を向いて人に優しくできる強さを持っている。いや、傷付いたからこそ強いのかもしれない。