あたしの心、人混みに塗れて
「あ、起きたあ?」
目を開けると、蒼ちゃんが顔を覗き込んでふにゃあと笑った。
「蒼ちゃん…………」
「ん、おはよ」
蒼ちゃんは起き上がってあたしの髪を撫でていた。
「しんどくない?」
「……若干」
初めては痛いと聞いていたからかなり身構えていたけど、思っていたより痛みは感じなかった。その代わり違和感はあるけど。
「ごめんね、ちょっと無理させちゃったかな」
「……わかんない」
「でも、めっちゃ可愛かったよ。ともの感じた顔」
にやりと笑われて、あたしは恥ずかしくなって布団で顔を隠した。
あの行為は夢でなかったと嫌でも自覚せざるを得ない。
「寝てていいよ。ご飯作ってくるから」
あたしから手を離して蒼ちゃんは立ち上がる。Tシャツを着てパーカーを羽織って部屋を出て行った。
……あ、服あっちだ。
着替えたくても一度自室に戻らなければならない。もう少し横になりたかったけど起き上がる。
「ゔっ」
次の瞬間、可愛いとはとても言えない声を上げてうずくまってしまった。
下っ腹が半端なく痛い。
「いてえ……」
腹を押さえて再びベッドに横になる。
思い出したように、下っ腹がジンジンと熱を持って痛み出す。
なるほど、蒼ちゃんはわかっていたのか。
初めての代償、ってことか。
初めてが蒼ちゃんでよかったと思うのに、なぜか妙に寂しい気持ちにもなる。
なんだかあたしだけが何も知らないみたい。
這ってでも部屋に戻るべきか、それとも後で蒼ちゃんに服を持ってきてもらうか、あたしは本気で悩みながら息を吐いた。
目を開けると、蒼ちゃんが顔を覗き込んでふにゃあと笑った。
「蒼ちゃん…………」
「ん、おはよ」
蒼ちゃんは起き上がってあたしの髪を撫でていた。
「しんどくない?」
「……若干」
初めては痛いと聞いていたからかなり身構えていたけど、思っていたより痛みは感じなかった。その代わり違和感はあるけど。
「ごめんね、ちょっと無理させちゃったかな」
「……わかんない」
「でも、めっちゃ可愛かったよ。ともの感じた顔」
にやりと笑われて、あたしは恥ずかしくなって布団で顔を隠した。
あの行為は夢でなかったと嫌でも自覚せざるを得ない。
「寝てていいよ。ご飯作ってくるから」
あたしから手を離して蒼ちゃんは立ち上がる。Tシャツを着てパーカーを羽織って部屋を出て行った。
……あ、服あっちだ。
着替えたくても一度自室に戻らなければならない。もう少し横になりたかったけど起き上がる。
「ゔっ」
次の瞬間、可愛いとはとても言えない声を上げてうずくまってしまった。
下っ腹が半端なく痛い。
「いてえ……」
腹を押さえて再びベッドに横になる。
思い出したように、下っ腹がジンジンと熱を持って痛み出す。
なるほど、蒼ちゃんはわかっていたのか。
初めての代償、ってことか。
初めてが蒼ちゃんでよかったと思うのに、なぜか妙に寂しい気持ちにもなる。
なんだかあたしだけが何も知らないみたい。
這ってでも部屋に戻るべきか、それとも後で蒼ちゃんに服を持ってきてもらうか、あたしは本気で悩みながら息を吐いた。