あたしの心、人混みに塗れて
あたしはテーブルの足の傍でぎゃんぎゃん泣いている弟を抱き上げた。
「どしたの、そーくん。頭ぶつけたのー?」
あたしは一歳半になった末っ子の弟、奏也の頭を撫でた。触ってみると、少し腫れている。
もしかしたら、あたしのことを探していたのかもしれない。
「ごめんごめん、ねえねが傍にいれなかったから。痛い痛いのとんでけ~」
頭を撫でてやると、奏也は少しずつ泣き声が収まってきた。
一歳半の幼児は、歩けるようになっていろいろな物事に興味を持つようになる歳だという。
「ねーねー」
「んー? ねえねはここにいるよー」
「まーま?」
「ママは今お出かけ中。そーくんはねえねとお留守番だよー」
我が家にはあたしと奏也の二人しかいない。
それもそのはず、今はまだ6月になったばかり
の平日だ。双子は学校に行っている。母さんはあたしに奏也を任せて買い物に出掛けた。
二週間前、あたしはこの家に帰ってきた。
「どしたの、そーくん。頭ぶつけたのー?」
あたしは一歳半になった末っ子の弟、奏也の頭を撫でた。触ってみると、少し腫れている。
もしかしたら、あたしのことを探していたのかもしれない。
「ごめんごめん、ねえねが傍にいれなかったから。痛い痛いのとんでけ~」
頭を撫でてやると、奏也は少しずつ泣き声が収まってきた。
一歳半の幼児は、歩けるようになっていろいろな物事に興味を持つようになる歳だという。
「ねーねー」
「んー? ねえねはここにいるよー」
「まーま?」
「ママは今お出かけ中。そーくんはねえねとお留守番だよー」
我が家にはあたしと奏也の二人しかいない。
それもそのはず、今はまだ6月になったばかり
の平日だ。双子は学校に行っている。母さんはあたしに奏也を任せて買い物に出掛けた。
二週間前、あたしはこの家に帰ってきた。