あたしの心、人混みに塗れて
この二週間の間に、あたしは母さんと動き回った。


まずお隣りの川島家に赴き、笑顔で迎えてくれた蒼ちゃんママ(母さんより10歳も年上なのに若々しくて、母さんとは20年来の親友だ)に二人で平謝りしまくった。


事情を聞いてもういいからと言われてもなお土下座する勢いでひたすら謝り続けて、その後は両家の母親がひたすら話し合い、事なきを得た。


大人も子供もひたすら謝って反省して、二度とこんなことが起きないようにしようと誓わざるを得なかった。


それから、母さんと新幹線で大学のある地へ行き、大学生協の力を借りつつ6月という超中途半端な時期に部屋を探した。


正直治安が悪い地域じゃなければ、大学の周辺であればどこでもよかったし(あとは旧我が家の周辺じゃないことを希望に伝えた)、うまくいけばあと一年半ほどしかいないのだから部屋のこだわりはあまりなくて、運よく本当に一日で物件は見つかった。家賃も以前とあまり変わらなかった。


蒼ちゃんがいない生活がようやく動き出した。


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