あたしの心、人混みに塗れて
「え、ちょ、蒼ちゃん!」
「眼鏡、涙で汚れてたからちょっと気になってたんだよねえ」
ああ、そうですか……って、レンズも拭かずにテーブルの上に置いちゃったし。
ちなみに、あたしの裸眼での視力は目の前の蒼ちゃんの輪郭ですらぼやけるレベルである。
「そ、蒼ちゃん、眼鏡返して!」
「やっぱりともって、意外に目大きいよねえ」
そう言いながら、蒼ちゃんがじりじりと距離を詰めてくるのがわかって、あたしは少しずつ尻で後ろに移動した。
蒼ちゃんの笑う顔がなんだかいつもと違う。何がとは説明できないけど、何がか違う。あたしが一瞬で離れなければと思ったほどの何か。
「い、意外にって、失礼な」
「まあ、俺は眼鏡かけてる方が慣れてるからどっちでもいいけど」
あたしの背中が壁についた。
「眼鏡、涙で汚れてたからちょっと気になってたんだよねえ」
ああ、そうですか……って、レンズも拭かずにテーブルの上に置いちゃったし。
ちなみに、あたしの裸眼での視力は目の前の蒼ちゃんの輪郭ですらぼやけるレベルである。
「そ、蒼ちゃん、眼鏡返して!」
「やっぱりともって、意外に目大きいよねえ」
そう言いながら、蒼ちゃんがじりじりと距離を詰めてくるのがわかって、あたしは少しずつ尻で後ろに移動した。
蒼ちゃんの笑う顔がなんだかいつもと違う。何がとは説明できないけど、何がか違う。あたしが一瞬で離れなければと思ったほどの何か。
「い、意外にって、失礼な」
「まあ、俺は眼鏡かけてる方が慣れてるからどっちでもいいけど」
あたしの背中が壁についた。