あたしの心、人混みに塗れて
「てかさ、あいつって他の男と同居してるんだぜ。なんでそんな奴が男と付き合ってんの? どーせ同居してる奴とやってんのにさ、自分は初めてだからとか言って焦らすの。そういう芝居なんか目に見えてるっつーの」
あーあ、ほんと無駄だったわーなんてぼやく昌人に、もう二度と関わりたくないと思った。
……蒼ちゃんのことまで悪く言わないでよ。
あたしのことはいくら言ってもいいから、蒼ちゃんのことは悪く言わないで。
そんなあたしの横で、蒼ちゃんはわずかに舌打ちするのをあたしは聞いた。
「ちょっと待ってて」
あたしの頭に手を置いて小さく呟いて、蒼ちゃんは教室に入っていった。
「栗山くん。俺、川島蒼大っていいます。友達になってくれない?」
「……川島?」
「相模智子の同居人」
次の瞬間、ダンッと固い音が聞こえた。
まさか、と思っておそるおそる教室を覗くと、蒼ちゃんは壁にもたれかかって話していたらしい昌人の体の横に足を壁についていた。
「それ、元彼が言うこと? いくらなんでも酷くない?」
「ちょ、何する…………」
「付き合ったのはあんたも同意の上でしょ? なのに何、ともが一方的に言い寄ってきたみたいな言い方」
15センチは高い昌人をすごい形相で見上げて、当の昌人は15センチも小さい男にすっかり怯えているようだった。
あーあ、ほんと無駄だったわーなんてぼやく昌人に、もう二度と関わりたくないと思った。
……蒼ちゃんのことまで悪く言わないでよ。
あたしのことはいくら言ってもいいから、蒼ちゃんのことは悪く言わないで。
そんなあたしの横で、蒼ちゃんはわずかに舌打ちするのをあたしは聞いた。
「ちょっと待ってて」
あたしの頭に手を置いて小さく呟いて、蒼ちゃんは教室に入っていった。
「栗山くん。俺、川島蒼大っていいます。友達になってくれない?」
「……川島?」
「相模智子の同居人」
次の瞬間、ダンッと固い音が聞こえた。
まさか、と思っておそるおそる教室を覗くと、蒼ちゃんは壁にもたれかかって話していたらしい昌人の体の横に足を壁についていた。
「それ、元彼が言うこと? いくらなんでも酷くない?」
「ちょ、何する…………」
「付き合ったのはあんたも同意の上でしょ? なのに何、ともが一方的に言い寄ってきたみたいな言い方」
15センチは高い昌人をすごい形相で見上げて、当の昌人は15センチも小さい男にすっかり怯えているようだった。