あたしの心、人混みに塗れて
「やっぱ、イケメンなんだなあ」
男には厳しい千晶が褒めるのだから、蒼ちゃんは顔も中身も相当イケメンなのだと思う。
「いいなあ、智子。私にちょうだいよ、川島くん」
「えー」
「ただの幼なじみなんでしょ? 一晩だけでもいいからさあ」
「……一晩?」
あたしはシナモンロールを食べていた手を止めて思わず顔をしかめていた。
『一晩』よりも『ただの幼なじみ』という言葉に反応していた。
あたし達は、どうあったって幼なじみで。蒼ちゃんが誰のものになろうと関係ないわけで。
それが、仮に親友である千晶のものになろうと。
そして、千晶と一晩を過ごしたとしても…………
「智子?」
固まってしまったあたしの腕を千晶が掴んだ。
「ちょ、冗談だから。何怖い顔してんのよー」
苦笑を浮かべてぽんぽんと頭を撫でられた。
「……考えた?」
「え?」
「蒼ちゃんと一晩、なんて……」
蒼ちゃんが、裸の千晶を…………
そう考えたら、千晶に頭を平手で叩かれた。
男には厳しい千晶が褒めるのだから、蒼ちゃんは顔も中身も相当イケメンなのだと思う。
「いいなあ、智子。私にちょうだいよ、川島くん」
「えー」
「ただの幼なじみなんでしょ? 一晩だけでもいいからさあ」
「……一晩?」
あたしはシナモンロールを食べていた手を止めて思わず顔をしかめていた。
『一晩』よりも『ただの幼なじみ』という言葉に反応していた。
あたし達は、どうあったって幼なじみで。蒼ちゃんが誰のものになろうと関係ないわけで。
それが、仮に親友である千晶のものになろうと。
そして、千晶と一晩を過ごしたとしても…………
「智子?」
固まってしまったあたしの腕を千晶が掴んだ。
「ちょ、冗談だから。何怖い顔してんのよー」
苦笑を浮かべてぽんぽんと頭を撫でられた。
「……考えた?」
「え?」
「蒼ちゃんと一晩、なんて……」
蒼ちゃんが、裸の千晶を…………
そう考えたら、千晶に頭を平手で叩かれた。