あたしの心、人混みに塗れて
カルピスサワーが運ばれてきた。
カルピスが入っているだけあって、甘くてアルコール臭さもなくて飲みやすい。
ソフトドリンクも挟んで、酒は5杯目。そろそろアルコールが体に回ってきた頃だ。頬がいつもより熱くなっていることがわかる。
あたしは箸で鶏の軟骨揚げをつまんで口に放り込んだ。ちらりと横に視線を移すと、一番大きい輪の中で蒼ちゃんは何人かの男子にジョッキのビールを飲まされていた。それを見ている周りの経済の女子達は顔を赤くして笑っていた。
女子達の顔が赤いのが、アルコールのせいだけではないことくらい容易に理解できた。昌人と並ぶであろうイケメンの蒼ちゃんに色眼鏡を使っているのだ。お開きになれば、あの中から蒼ちゃんにお持ち帰りを請う輩も出てくるだろう(でも、蒼ちゃんの家はあたしの家でもあるわけでそれは決してない。おあいにくさま)。
ちやほやしちゃって。くだらない。
輪の外にいるあたしの考えが間違っているのだろうか。
それに、蒼ちゃんがみんなと笑い合っているのにもカチンときた。自分だけ楽しんじゃって。あたしだって人に世話を焼かれるほど子供じゃないから、死んでも助けを請う視線なんて投げないけど。
あたしは近くの店員に軟骨揚げのお代わりを頼んだ。
この店は飲み放題、おつまみも食べ放題で、あたしはそのサービスを最大限に利用した。
今回のあたしの料金は全額蒼ちゃん持ちで、あたしの分がいくらになっても構わない(交換条件であたしは渋々参加することになったのだ)。どうせ蒼ちゃんはつまらないあたしを置いて楽しんでいる。おあいこだ。
そして、胸の奥に息を潜めているどす黒い何かには気付かないふりをしておく。
カルピスが入っているだけあって、甘くてアルコール臭さもなくて飲みやすい。
ソフトドリンクも挟んで、酒は5杯目。そろそろアルコールが体に回ってきた頃だ。頬がいつもより熱くなっていることがわかる。
あたしは箸で鶏の軟骨揚げをつまんで口に放り込んだ。ちらりと横に視線を移すと、一番大きい輪の中で蒼ちゃんは何人かの男子にジョッキのビールを飲まされていた。それを見ている周りの経済の女子達は顔を赤くして笑っていた。
女子達の顔が赤いのが、アルコールのせいだけではないことくらい容易に理解できた。昌人と並ぶであろうイケメンの蒼ちゃんに色眼鏡を使っているのだ。お開きになれば、あの中から蒼ちゃんにお持ち帰りを請う輩も出てくるだろう(でも、蒼ちゃんの家はあたしの家でもあるわけでそれは決してない。おあいにくさま)。
ちやほやしちゃって。くだらない。
輪の外にいるあたしの考えが間違っているのだろうか。
それに、蒼ちゃんがみんなと笑い合っているのにもカチンときた。自分だけ楽しんじゃって。あたしだって人に世話を焼かれるほど子供じゃないから、死んでも助けを請う視線なんて投げないけど。
あたしは近くの店員に軟骨揚げのお代わりを頼んだ。
この店は飲み放題、おつまみも食べ放題で、あたしはそのサービスを最大限に利用した。
今回のあたしの料金は全額蒼ちゃん持ちで、あたしの分がいくらになっても構わない(交換条件であたしは渋々参加することになったのだ)。どうせ蒼ちゃんはつまらないあたしを置いて楽しんでいる。おあいこだ。
そして、胸の奥に息を潜めているどす黒い何かには気付かないふりをしておく。