Under The Darkness
「ふっ……ふざけんな! よくもママを侮辱したな! 枕営業なんてするわけないやろ! ママは仕事終わったらすぐ帰って来てくれた! 仕事行くときも、ギリギリまでずっと一緒におってくれた! そんなんしてるヒマなんてなかった! 綺麗やからモテてたけど男なんかの影も形もなかったわ! 憶測だけでもの言うな! さっさと離せ! 触るな!! アンタなんか嫌い! 大っ嫌いや!」
「……ええ、知ってますよ。そんなこと」
ただ冷たいだけの、温かみの籠もらない単調な声。
この男から離れなければと頭の中で危険信号が点滅してる。
私は思いつく限りの罵詈雑言を捲し立てた。
「大嫌い! 男なんかに触られたら虫酸が走る! いたっ! 足つねるな! もうイヤや、悠宇、栞ちゃん……悠宇――っ!」
ギイッと扉の開く音がして、ハッとする。
いつの間に京介君の部屋に着いていたのか、頭に血が上った私には気付けなかった。
抱えた私の身体を京介君はベッドの上に乱暴に放り投げる。
スプリングの効いたベッドの上で、私の身体が大きく跳ねた。