Under The Darkness





 いきなりベッドの上に落とされて、私は呆然と京介君を見上げた。


「……悠宇、悠宇と煩い。貴女は男嫌いじゃなかったのか」


 イライラとした口調。

 悠宇と他の男を一緒にするなと、私は語気を荒げた。


「悠宇は他の男と違う! アンタとは違うんや!」


「……美里さんの中で、悠宇、あの男の存在は特別だと?」


 問う京介君の声に、暴《あら》い怒りが宿る。やり場のない苛立ちが怒りの念にすり替わる。

 私は腹立たしさに支配され、京介君のふつふつとした静かな憤怒に気付けなかった。


「当たり前やろ! 悠宇だけが特別や! 他はみんなバケモンや!!」


 私の言葉に、京介君の眸にひび割れたガラスような狂気が走った。

 京介君は私を見据えたまま、おもむろに着ていた服を乱暴に脱ぎ捨てる。

 私は目を瞠った。

 まさかという嫌な予感が頭を過ぎる。

 彼の行動が何を意味しているのか、わからないほど私は子供じゃなかった。けれど、聞かずにはおれなくて。
 


「なっ……なんなん? 京介君、アンタ、なにしてるん」


 さっきまでの怒気は穴の開いた風船のように急速に萎み、途端に覚束ないほど弱くなる私の声。

 京介君は上半身裸のまま、無言でそんな私を見下ろし睨め付けてくる。



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