Under The Darkness





 扉の外が騒がしかった。

 ベッドの上でぐったりと弛緩する私の隣で、京介君は舌打ちをもらした。


「煩いな」


 扉に目を遣り、脇に転がっていた眼鏡を掛ける。

 ギシリとベッドを軋ませながら身体を起こす京介君に、私は怪訝な目を向けた。


「……なんで?」


 私は疑問を口にした。

 京介君がサイドボードに置いてあったタバコを手に、振り返る。


「なんで最後までやらへんかったん」


 私の問いに、京介君はフッと唇を緩ませた。


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