Under The Darkness
「ふふっ。口ではいくら拒絶していても、本能の前では、やはり貴女は母親同様淫乱な売女《ばいた》にすぎない。違いますか?」
やめて、やめて――!
私は耳を塞いだ。違う、違う!
激しく慄える身体を自分で抱え込む。
怖かった。この男が心底怖かった。
京介君は、豪のような乱暴はしなかった。
言葉とは裏腹に、私に触れる指先は、驚くほどに優しいもので。
まるで、本当は愛されているのではないかと錯覚してしまいそうになるほどに温かくて。
ぬるま湯に蕩《たうた》うような心地よさに目眩がした。
傷つけると言いながら、私の身体の上を辿る京介君の体躯は、決して怖いだけではなく、それがひどく私を戸惑わせた。
京介君に翻弄されながら、抑えることの出来ない己の嬌声に耳を塞いだ。
信じられなかった。
こんなふうに自分の身体が反応し、まるで違う生き物のように変わってしまうなんて、今まで一度としてなかったのに。
京介君は、私を高めるだけ高めて何度も突き落とし、その度に、私は狂おしいほどの甘い狂気に苛まれ、泣きながらもうやめてと懇願した。
意識が白く塗りつぶされても、京介君は執拗に繰り返し、決してやめてはくれなくて。
最後は身体を引き裂かれるのだと覚悟していたのに、京介君は這わせた舌と指先で、強く優しく触れるだけで。
豪のように、無理やり身体をこじ開け浸入してこようとはしなかったんだ。
ただ、私の反応だけを冷静に、けれど、隠しきれない欲の焔が灯る眸で見つめるだけだった。