Under The Darkness





 探るような目を向けられて、私は言葉に詰まってしまう。

 けれど、ここで引くわけには行かなかった。


「せやねん。きっと心配してる。私のこと探してる思うねん。だから、ここにいてることだけでも伝えなあかん思て」


「ダメです。今はまだ、貴女の身体が本調子ではありません。外部との接触は医師の許しが出るまでは許可できかねます」


 丁寧な口調で私の頼みをバッサリ切り捨て、ムッとした顔を向けられる。

 私もムッとした顔になる。

 確かに助けてくれたことは感謝しても仕切れない。

 でも、やはり大阪に帰りたい。

 ここに居ろといわれるが、ここは私の知ってる土地じゃない。

 東京なんて、仕事で来る以外馴染みのある土地じゃないから、余計に不安に苛まれて……イヤだ。


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