Under The Darkness
「なんで電話もあかんの?」
「その男が、貴女を傷つけた卑劣な男と繋がっていないとは言い切れないでしょう」
京介君の言葉に、短気な私はブチ切れた。
「は!? 悠宇《ゆう》は私の親友や! 小学校からの付き合いやで。お金ない私にバイトかて紹介してくれたええヤツなんや! アイツが豪となんて繋がってるわけないやろ! アホなこと言わんといて!」
「……その悠宇とやらに唆《そその》されて、卑猥な写真を撮らせているくせに」
「ええっ!? ひ、卑猥って……モデルのバイトのこと言うてるん? 普通の雑誌やないの! アンタ見たこともない癖にええかげんなこと言わんといてくれる!?」
子供の頃からモデル業一筋の悠宇に紹介されて、私は雑誌のモデルをやっていた。
ティーン向けに販売されてる、ごくごく普通のファッション誌だ。
京介君が言うように卑猥な写真なんて撮ったこともないし、撮らせるつもりもない。
お金のない時期、バイトで稼いだ収入はとても助かった。
そんな恩人である悠宇まで豪なんかとつるんでるみたいに言われて、怒髪天を突いた。
「……写真集も出したくせに」
ふて腐れたような顔で呟いた京介君に、私は目を丸くする。
「え? なんで京介君がそれ知ってるん?」
ほんの2週間前に発売された、知名度なんてほとんどない私の写真集なんて――あ、でも、撮影してくれたカメラマンが有名な金城さんだから?
私は首を捻った。