Under The Darkness
消えた豪の行方を、彼の親は知らない。
――まさか。いや、『やはり』。
京介君が豪に何かしたのかもしれないと疑念が湧く。
――何を……したの?
恐れの浮かぶ双眸で京介君を見つめ返した。
「……殺したんか?」
絞り出すような豪の父親の声に、ビクリと私の身体が揺れた。
いくらなんでも飛躍しすぎだ。ありえない。
そう思うけれど、無表情のまま反応を示さない京介君に、ぞくりと怯えが走った。
「さあ。私は一般人なので、詳細は父に聞いて下さい」
――まあ、姉を連れ去ろうとしている時点で、父の怒りを買うのは必至ですが。
京介君は腹黒い笑みを浮かべながらくつくつ肩を揺らせて嗤う。
「……なに嗤ろとんじゃ、おどれ《お前》。おかしい思たんや。やっぱり殺したんやな、息子……おんどれら《お前達》が殺ったんやな!! ちくしょうっ!」
顔を紅潮させ憎悪に吠える豪の父親が動いた。
視界の端を掠めた光るモノ。