Under The Darkness
「彼に連絡をしていいのは1度だけ。そう言いましたよね?ーー了承したにも関わらず、舌の根も乾かぬうちに貴女は約束を反故《ほご》にした。本当に――」
くつくつ小刻みに揺れる肩が抑えきれない怒りを表しているようで、怯える私の歯の根が合わずカチカチ耳障りな音を立てる。
私を射る昏い憎悪に灼かれそうになる。
京介君の眸に浮かぶ憎悪の中に、爆発寸前な危うい焔が揺らめいてみえた。
「貴女は私の神経を逆なでするのがお好きなようだ」
激しい焦燥が滲む顔で、視線は私を捉えたまま、京介君は携帯を耳に当てる。
「悠宇、ですね」
『……っ! おまえっ! 何しとんじゃ!? みぃちゃんに何かしやがったらタダじゃおかんからな!』
悠宇の切羽詰まった声が漏れ聞こえてくる。私を心配してくれる彼の声に、目頭が熱くなってくる。
「なにか、とは」
――こういうことでしょうか。
そう言うやいなや、京介君は掴んだ私の頭ごと乱暴に畳の上へと引き倒した。
「きゃあっ」