Under The Darkness




「このまま聞いていてもらいましょうか」


「え」


「私に抱かれて喘ぐ貴女の声を。教えてあげますか? 貪婪《どんらん》に啼く貴女の本性を」


 ――悠宇に。


 ひっそりと、秘密を打ち明けるような小声で囁いてくる。

 その声は、陰湿な愉楽に弾んでいた。


「や、やめて、お願い!! なんでも言うこと聞く! だからやめてっ!」


「魅力的な言葉ですね。でも」


 首を1つ振ると、


「却下です」


 きっぱり否と答えを返した。

 ビビッとブラウスのボタンを弾きながら、私から服を奪ってゆく。

 弾け飛んだボタンがころころと畳の上に転がる様が、視界の端を掠めた。


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