Under The Darkness


 涙の浮かんだ目を携帯に向けた。


「悠宇っ! 電話切って! 聞いたらあかん!誰か……誰か呼んできて!!」


 私は枯れるほどに声を張り上げた。


「ムダですよ。外では舎弟達が見張っていますから。誰が助けに来ても、貴女を救うことは出来ない」


 目を見開いた。


 ――誰も来れない?


 ひたひたと黒い感情が胸を満たし出す。


「残念でしたね」


「なんで? ……なんで嫌いやのに抱こうとするん……」


「……貴女のような頭の悪い女には、一生かかってもわかりませんよ」


 ――それに、これは貴女を苦しめるための復讐だと言ったはず。


 そう言って、何故か自嘲を滲ませて嗤う。

 ボロボロになったブラウスの欠片を身にまとい、畳の上に横たわる私はなんて惨めなんだろう。

 悔しさに、さらに涙が溢れてしまう。

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