Under The Darkness
「何故いけない? 貴女など私が助けに行かなければ、また他の男の手に渡っていたんですよ。私以外の男が貴女を手に入れる。それは許せない。……許せないんですよ、美里さん」
底の見えない深淵を覗き込むような昏い声。
京介君の執着の深さに、私の全身は恐怖で竦んだ。
――京介君の憎悪に、私の躰だけでなく心までも――縛られ、囚われてしまう。
身体が痙攣したように小刻みに震え出す。
私の意識は徐々に白く霞んでゆく。
力を失った私の身体は、意思とは反してくたりと京介君の胸に凭れかかってしまう。
私が動けないと分かると、首の拘束を解き、ぐったりする私を抱え上げて、京介君は畳の上に横たえた。
――いや、やめ……え。
霞んだ目で、離れゆく意識の中。
肌に僅かに残るブラウスを寛げる京介君の手に、私は自分の掌を重ね、訴えた。
「……あ、かん……も、したら、あかん……」
私の懇願の声に、京介君は視線を向けてくる。
そして、重ねた私の手をギュッと握り締め、囁いた。