Under The Darkness





「却下ですね。そんな勝手は許しません」


 冷たく感じた印象が、今度はふて腐れたようなものに変わる。

 拗ねたような彼の顔に、私は少しだけホッとした。消えていた感情がその顔に戻ってきたから。

 けれども、京介君の言った内容だけはどうしてもいただけない!


「ッ!! なんでそんな事ばっかり言うん、アンタは!」


 カッと頭に血が上った。

 なぜ自宅に戻っちゃダメなのか。

 沸点の低い私は、納得出来ずに声を荒げた。


「……とにかく。この敷地から一歩も外へ出ることはなりません。貴女は認知こそされていませんでしたが、関東を統べる川口組の代紋頭《組長》の娘だと言うことをお忘れなく」


「認知されてへんかったら関係ないやないの!」


「それが貴女の存在がバレてしまったんで、豪なんて弱小とは比べものにならないほどの危険があることを、貴女には知って頂かねばなりませんね」


 京介君の言葉にうんうんと頷きながら、お父さんが口を挟んできた。


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