Under The Darkness
あまりの羞恥に耳を覆いたい衝動に駆られるけれど、両手を縛られているからそれも出来なくて。
手首を激しく動かす度に、ギリギリとヒリつく鋭い痛みの感覚だけが、京介君に身を委ねそうになる私の正気を保たせる。
私に出来る抵抗などそれくらいしかなくて。
私は顔を背けて……ただ震えながら耐えることしかできなかったんだ。
京介君の唇が胸の飾りからお腹を辿り、さらに下腹部へと移動する。
ジーッとファスナーが開く音に、悪夢を見ているような心地がして。目の前が昏くなる。
下着の中へと浸入してくる指先に、私は戦慄く唇を噛み締め羞恥に耐えた。
噛み切られた唇が熱を持ち、新たな鮮血が滲む。今はもう、痛みだけが私を正気に戻してくれるたったひとつの術だった。
けれど、唇の痛みよりも下腹部からうねりのように湧き上がる鋭利な感覚の方が上回ってしまって。
内側を探るようにして蠢く指先に、いやでも意識が向いてしまって、甘美なほどに耐え難いおぞましい感覚を誤魔化せなくなる。
神経が集約する秘された箇所を簡単に暴かれてしまい、悲鳴のような、けれど、甘い媚が交じる声をあげてしまう。
急速に身体の力が抜けてゆき、吐息に甘さが滲み出す。
悔しくて。
意思とは反した身体の奥底にある深い部分が反応してしまって。
自分ではもう。
どうにも出来なくて。
京介君がもたらす嵐が通り過ぎるのを待つしか出来ない不甲斐なさ、悔しさに、歯噛みしながら耐えることしか出来なくて。