Under The Darkness
その間も、私を嬲る指先はゆるりゆるりと小さな波を起こそうとする。
苦痛と快楽の狭間で、目の前が情欲に霞んでしまう。
――苦しい、辛い。言うたら、あかんっ、言うてもうたら、私はこいつに完全に負けて……取り込まれてまう!
「――言わん! そん、なこと……絶対! 言わん!」
涙の滲む瞳で京介君を真っ直ぐに見据えて言い放った。
「……強情な。いつまでその強情が続くか、最後まで付き合ってあげましょう」
凶悪なほど色悪で淫靡な雰囲気を纏った京介君が、口角を弓なりに吊り上げて誘うように甘く囁く。
京介君の言葉通り、無理やり高みに押し上げられ、放置される。
何度も何度も繰り返される。
終わりの見えない――それは拷問だった。
「くぅぅ……っ、イヤや……もう、やめ、てぇっ、おねが、い……!」
生理的な涙に濡れた瞳が、この苦痛から唯一私を救ってくれる……同時に苦痛を与える当事者である京介君を映し出した。
恥も外聞もなく、必死でやめるよう懇願を繰り返す。
私の中で理性やら意地やらが、グズグズと音を立てて崩れ行くのを頭の端で認識しながら。
この快楽と言う名の苦痛から、ただただ逃れたくて――――。
全てを捨て去り京介君に懇願することしか、今の私にはこの地獄のような責め苦から逃れる術が思いつかなかった。
「なんでもするから、も、許して――っ」