Under The Darkness




「ふっ、それでいい」


 過ぎた快楽に苦痛を訴える箇所から唇を離し、京介君は満足気に答えた。

 私の身体から溢れた透明な雫が糸を引き、京介君の口元と一本の線で繋ぐ。

 京介君は、それを私に見せ付けるようにして卑猥に舐め上げた。

 そして、再び私を翻弄するべく京介君の顔が下腹部へと沈んでしまう。

 わざと大きな音を立てる京介君の意地悪さに、心がくじけてこのまま意識が無くなればいいのにと願ってしまう。

 視覚と聴覚からもたらされる刺激に、私はもうなす術もなく。


 ―――翻弄され……、このまま流されてしまう。


 心が、身体が、彼に従順であらねばと傾き出す。

 意思とは反して、言うことを聞かねばと強迫観念に支配される。

 矜持が砕かれ、心が蹂躙されてゆく。

 京介君の思いのままになる人形になってしまう。


 ――助けて――。


 救いを求めるように開いた掌を京介君が掴んだ。

 翻弄し、貶め、私をただの女にした男。


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