Under The Darkness





「……愛で貴女を縛れないのなら、私は憎しみで貴女を縛ります」




 吐露される彼の吐息混じりな艶めく声。

 けれど、私は激しく揺さぶられ、身体の内側から溢れ出す甘い痺れに囚われて、彼の言葉を聞き取ることが出来なかった。

 私は救いを求めるように、京介君へと無意識に手を伸ばす。

 その手を掴み、京介君は愛おしげに唇を這わせた。

 混濁する頭は、彼に愛されているという錯覚に囚われて混乱する。

 苦しげに眉根を寄せ、滴る汗をそのままに、貪欲に私を貪る姿に魅入ってしまう。
 

 ――私が囚われたのか捕らえたのか、もうそれすらも定かではなく。
 



 砕かれ、壊され、京介君の闇に引きずり込まれた私の心が、彼の手により堕ちてしまったということだけは、この時、はっきりとわかった。



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