Under The Darkness
四苦八苦しながらなんとか部屋へと戻ってきた私は、扉の内側に置いてあったボストンバッグをゴソゴソと探るんだけど、目当てのものが見つからない。
「あれ、携帯あらへん」
そう言えば、携帯は京介君が投げ捨てていた気がする。
あのまま置いてきてしまったのかと愕然とした。
「ママの遺影もない」
鞄の底までさらったが、ママがいない。
途端に不安になった私は、鞄に入っていた服に着替えると、部屋を飛び出した。