Under The Darkness





 京介君といると辛い。

 憎まれていることが、こんなにも、息苦しさを感じるほどに心を蝕み、負担を強いている。

 彼に抱かれてしまった私は、もう、世間で言う姉弟の関係には戻れない。

 傍にいると、彼の闇に私も引き摺られそうになる。

 もう二度と会わない方がいい。

 憎悪の鎖が私の身体と心に深く絡みつく前に。

 頬に触れる悠宇の温かな体温が穏やかに私を包み込む。

 自然と瞼が落ちてしまう。

 心を乱す感情から逃れたくて、この温もりに縋りたくなる。

 ふいに、自分の心が今、ひどく弱っていることに私は気付いた。


「美里が欲しい。オレのもんになって」


「ぅ、わ、ちょ、待って、まっ……っ!」


 悠宇の顔が私の首筋に落ちた。

 悠宇の身体が私に重なる。

 悠宇と壁に挟まれ、私、身動きが取れなくて。

 いや、それ以上に、どうしていいのかわからなくて。


「あっ」


 首筋に悠宇の唇が触れ、ツキリとした痛みが走った。


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