Under The Darkness
ひやりとした掌が私の素肌に直接触れる。瞬間、ざわりと肌が粟立った。
私の服はいつの間にか寛げられていて、露わになった肌の上に引っかかるのみになっていた。
スウェット地のパンツごと下着を奪われ、息つく間もなく京介君に腰を持ち上げられ、非難の声を上げることすら適わず、性急に貫かれる。
余裕を無くした京介君の顔。
怒りをぶつける激しさで、容赦なく私の身体が揺さぶられる。突き抜けるような鋭い痛みが訪れた後、大きく波打つ肢体にじわりとした鈍い痛みが広がってゆく。
助けを求めるように伸ばした腕が、京介君の首に絡みつく。
京介君が、吐息のような淡い笑みを浮かべたのが分かった。
それは、冷笑でも嘲笑でもない、安堵するような静かな笑み。
首に回った私の腕を解くことなく、京介君は再び獣性を現した。
繰り返される激しい律動に、意味を成さない言葉の羅刹が京介君の唇に吸い込まれてしまう。
「――んんっ、……ぅんっ」
雫ほどの愉悦の波が、次第に大きなものへと姿を変えて、内側から津波のように迫り上がってくる。
「っ、きょ、京介く…っ…あぁっ、」
「……いしてる」
ハッと目を開けた。
首筋を這う京介君の唇から、吐息のような呟きが漏れ聞こえてきた。
――今、京介君は何を言った?
首筋を震わせたその言葉が、私には聞き取れなくて。
身体を焦がす灼熱の焔に喘ぐ私の眸に映り込んだのは、己の愚かさを自嘲するような、自責の念に駆られるような、憂いを帯びた京介君の姿だった。
―――――何故そんな哀しそうな顔をしてるんだろう。
けれど、貪欲な獣に浮かんだ表情はすぐに掻き消されてしまう。
京介君に浮かんだ偽りない『本当』の顔。
そこに、彼が発した言葉の中に、矛盾の答えがあるような気がした。
京介君の矛盾。
私を憎むと言いながら、囁かれる言葉は誘惑するような甘さを孕み、私を抱く腕は壊れ物を扱うように優しかった。
京介君は言った。
自分だけしか見てはいけない。
自分だけのオンナになれ。
彼は本当にそれらを望んでいるんだろうか?
この行為は、復讐のためだと、私が償うべき代償なのだと、京介君はそう言った。
けれど、その言葉の裏にある感情は、『憎しみ』だけとは違うような気がした。
それらの言葉は、まるで――――。
私の服はいつの間にか寛げられていて、露わになった肌の上に引っかかるのみになっていた。
スウェット地のパンツごと下着を奪われ、息つく間もなく京介君に腰を持ち上げられ、非難の声を上げることすら適わず、性急に貫かれる。
余裕を無くした京介君の顔。
怒りをぶつける激しさで、容赦なく私の身体が揺さぶられる。突き抜けるような鋭い痛みが訪れた後、大きく波打つ肢体にじわりとした鈍い痛みが広がってゆく。
助けを求めるように伸ばした腕が、京介君の首に絡みつく。
京介君が、吐息のような淡い笑みを浮かべたのが分かった。
それは、冷笑でも嘲笑でもない、安堵するような静かな笑み。
首に回った私の腕を解くことなく、京介君は再び獣性を現した。
繰り返される激しい律動に、意味を成さない言葉の羅刹が京介君の唇に吸い込まれてしまう。
「――んんっ、……ぅんっ」
雫ほどの愉悦の波が、次第に大きなものへと姿を変えて、内側から津波のように迫り上がってくる。
「っ、きょ、京介く…っ…あぁっ、」
「……いしてる」
ハッと目を開けた。
首筋を這う京介君の唇から、吐息のような呟きが漏れ聞こえてきた。
――今、京介君は何を言った?
首筋を震わせたその言葉が、私には聞き取れなくて。
身体を焦がす灼熱の焔に喘ぐ私の眸に映り込んだのは、己の愚かさを自嘲するような、自責の念に駆られるような、憂いを帯びた京介君の姿だった。
―――――何故そんな哀しそうな顔をしてるんだろう。
けれど、貪欲な獣に浮かんだ表情はすぐに掻き消されてしまう。
京介君に浮かんだ偽りない『本当』の顔。
そこに、彼が発した言葉の中に、矛盾の答えがあるような気がした。
京介君の矛盾。
私を憎むと言いながら、囁かれる言葉は誘惑するような甘さを孕み、私を抱く腕は壊れ物を扱うように優しかった。
京介君は言った。
自分だけしか見てはいけない。
自分だけのオンナになれ。
彼は本当にそれらを望んでいるんだろうか?
この行為は、復讐のためだと、私が償うべき代償なのだと、京介君はそう言った。
けれど、その言葉の裏にある感情は、『憎しみ』だけとは違うような気がした。
それらの言葉は、まるで――――。