Under The Darkness

 たくさんの疑問が頭に浮かぶ。

 京介君が放った言葉。逃げることすら許されない私の意思を無視した束縛。

 それらは、私に向けられる激しい独占欲そのものに思えて。

 京介君は『何』で私を縛ろうとしているのだろうか。

 彼が言うように、何も混じらない純然たる『憎しみ』の感情だけ?

 彼が望むものが何か知りたかった。

 それを理解しないと、この歪んだ関係は終わらないと思った。

 京介君は、私に何を望むのか。


「……何を考えている?」


 苛立ちを隠さない京介君の声。

 突き上げられる度、痛みとは違う感覚が身体の奥で貪欲な蠢動《しゅんどう》を繰り返す。

 京介君が苦しげに息を吐く。私を見つめる瞳が熱を持ち、まるで焦がれるように抱きしめてくる。

 今、この瞬間、支配されているのは私のはずなのに、私が彼を支配している気分になる。

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