Under The Darkness
でも、彼は恩人だ。
2回も危ないところを助けてもらった。
京介君、怖そうに見えるけれど、きっと怖いのは顔だけで、性格は優しいに違いない。
そう無理やりこじつけた私は、恩人である京介君に向け笑顔を取り繕ってみた。
すると、唇の端がにゅっと吊り上がりそうになるのを我慢している様子の京介君が、コホンと一つ咳払いをして続けた。
「貴方の首を絞める母を池に突き落としたんですが、美里さんも一緒に池に落ちてしまって。あの時はすいませんでした」
悪びれずに頭を下げる京介君に驚きを隠せない。
私はガバッと頭を下げた。