Under The Darkness





 ポロポロ溢れる涙をそのままに、私はギュウッと京介君にしがみ付いた。

 京介君も目に涙を溜めて、切なさを滲ませながら微笑んだ。


「きょ…けく、わた、…あな…の、こと、す…」


 ――京介君、私、貴方のことが好き。


 その言葉は、上手く伝えることが出来なくて。


 包帯だらけの京介君は、たどたどしい私の言葉に、


「今の言葉。私の良いように解釈しますよ?」


 そう言って嬉しそうに微笑んだ。


 それでいい。京介君の良いように解釈して欲しい。

 また、話せるようになったらちゃんと言うから。

 何度でも何度でも、京介君に伝えるから。



 京介君が生きていてくれた。

 もう、それだけでいい。

 それだけで、私は嬉しい。



 私は緊張の糸がプツンと切れてしまい、そのまま京介君の腕の中で、看護婦さんがびっくりして飛んでくるほどの掠れた大声で、子供のように泣き出してしまったんだ。



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