Under The Darkness




 西洋チックな風貌の私とは真逆、純和風で端整な面立ちをした京介君は、スッと切れ上がった目尻に全てを見通すような鋭い双眸、そして、ここからは決して近付くなと一線を引く他人行儀な敬語口調。

 全体的な印象として、京介君は近付きがたく冷たい印象を他者に与えるんだと思う。

 近付いたら切れそうで、傷つけられそうで怖い感じがするんだ。

 なので、普通のサラリーマンにも学生さんにも全然見えなくて。

 一番彼に相応しいしっくりくるワードが、そう。



 インテリヤクザ。



 そう思って、……まんまやな。と、自分のボキャブラリーのなさにガックリする。


 でも、そのまんまインテリヤクザな風貌なのだ。

 普通の家庭で育ちましたって感じが全くしない。

 マンガであるような、食卓囲んでほのぼの家族団らんって姿が全然想像出来ないんだ。

 今まさにリアル極道さんに囲まれているから余計にそんな風に思ってしまうのかも知れないけれど。

 京介君自身は、無駄な部分が一切削ぎ落とされたスラッとした体躯の、いわばモデル体型っていう感じなんだけど、その他5人のリアル極道さん達が、目を覆いたくなるほどにひどかった。

 皆揃って同じような黒のスーツを着ているのはいい。が、パッと見、カラスの集団みたい。しかも、マッチョなゴッツいカラスだ。

 顔も強面ばっかりだし、顔に刀傷があったりする人もいるし。皆が皆、京介君よりも目つきが悪い。悪すぎる。

 絶対目を合わせたくないと思うほどに、エグい。まんまヤクザものって雰囲気だったんだ。

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