Under The Darkness
「痛っ」
掴まれた肩に、ミシリと骨が軋むほどの強い力が加わって、砕けてしまうと恐怖した。
京介君は、それでも抵抗を繰り返す私を射殺さんばかりに睨みつけながら、隠しきれない激情を双眸に浮かべ威圧してくる。
「勝手なことばっかりせんといて! 助けてくれたことは感謝してる! でも、ひどすぎる、あんまりや!」
「どちらが『あんまり』なのでしょうね」
その顔に明らかな嘲りの色が浮かび、私をせせら笑う。
「なんやのそれ! 嘘つきの言葉は聞かん!」
「……嘘つき?」
訝しむように京介君は眉根を寄せた。
「せや! いっつも能面みたいな嘘の笑顔浮かべて、ホントの顔見せてくれへんやないの! 突然悠宇にまであんな暴力奮って! なんやの! 腹の内全く見せへん人間なんて、弟や言われても仲良うなんて出来へんし、したないわ!」
私の言葉に、眇めた京介君の双眸に凶暴な彩《ひかり》がカチリと宿る。
「……仲良くなどしたくない? 父さんとはあんなに仲が良いのに、私とは仲良く出来ないと?」
「せや! 京介君は全然腹の内見せてくれへんやないの! 知的でいかにも優等生っぽく見せてるけど、ホンマはそんなんとちゃうんやろ。隠してもわかる。騙そ思ても、私にはわかるんやからな!!」
京介君の腕の中で暴れながら、私はふつふつと沸き上がる怒りの感情を爆発させた。